Catalyst 9800でTFTPを用いてファイル転送する際の参考例を記載ます。
筆者はC9800-CLのv17.14.1で検証しております。
TFTPのBlock Sizeの調整
TFTPのBlock Sizeは 512
から 8192
までの値を取れますが、デフォルト値の 512
のままだと転送に時間がかかります。
そのため、Block Sizeを大きくして転送効率を上げるために最大値の 8192
に変更します。
configure terminal ip tftp blocksize 8192 end
必要に応じて write memory
で設定を保存するか、作業後に no ip tftp blocksize
でデフォルト値に戻してください。
実際のファイル転送の例
VRF指定の有無でオプションが異なるため、環境に応じて使い分けてください。
(ip tftp source-interface
の設定なしに、)copy
コマンドのオプションだけでVRF指定なし・ありの切り替えができます。
「VRF指定なし」の一例
copy tftp://#.#.#.#/C9800-##-universalk9.##.##.##.SPA.bin bootflash:
「VRF指定あり (VRF: Mgmt-intf)」の一例
copy tftp://#.#.#.#/ C9800-##-universalk9.##.##.##.SPA.bin bootflash: vrf Mgmt-intf
TFTP ServerからCatalyst 9800にIOS-XEファイルを引っ張ってくるイメージで記載しています。(Catalyst 9800視点でのダウンロード方向になります。) そのため、startup-configのバックアップやリストアのユース ケースではSourceとDestinationを適宜修正してください。
TFTPでのファイル転送時間の確認
本番環境でのリリース作業がある際は、検証環境で実施した際の copy
コマンドのログから転送時間を確認しておくと参考になるかもしれません。
筆者のGigabitEthernet環境で約1.38GBのファイル転送を試した際は、Block Sizeがデフォルトの 512
だと約52分57秒であまりにも効率が悪かったです。
ip tftp blocksize | 512 | 4096 | 8192 |
---|---|---|---|
転送時間 | 約52分57秒 | 約6分41秒 | 約3分25秒 |
あくまでもBlock Sizeによって転送時間が変わる確認をしたものです。厳格な測定をしたわけではないので環境によって変わる可能性があります。
関連情報 (記事の執筆背景)
ファイル転送にはWeb UIのFile Managerを活用する方法もありますが、アップロードに1GBのファイル制限があったので、TFTPでの転送方法を書き留めた背景があります。
筆者の場合はInstall modeからBundle modeの変換のため、File Managerから個別にIOS-XEファイル (.bin)をアップロードしようとした際に制限に引っかかりました。
Software Upgrade画面からは1GB以上のIOS-XEファイルもアップロードできるので、File Managerとの使い分けで事足りるかもしれませんが、もしもの場合に備えておくとリスク低減になります。